狩宿のあたりを歩く | 旧鎌倉街道山ノ道 | 東京都日の出町

春はまだ遠い冬の日に旧鎌倉街道山ノ道の狩宿のあたりを歩いてみました。狩宿の地名の由来は次のとおりです。

(前略)狩宿は、梅ヶ谷峠・馬引沢両峠越えの道の合流点である(㉑図Ⓐ路)。狩宿とは仮宿のことで、地名の由来は畠山重忠が鎌倉へ往復の時、従者を投宿させたからとか、重忠が雁の宿をとったからといわれている。(後略)

「旧鎌倉街道 探索の旅Ⅰ上道・山ノ道編」(芳賀善次郎著・さきたま出版会)より引用

上にあるとおり、狩宿は日の出町から青梅市の軍畑に向かう旧鎌倉街道山ノ道が二手に分かれる場所に位置しています。一つは馬引沢(うまびきさわ)峠越えのルート、もう一つは梅ヶ谷(うめがた)峠越えのルートです。ここでも鎌倉時代の人徳者にして悲劇のヒーローとも言われる畠山重忠の名前が出てくるのが印象深いですね。

さて町役場近くの比較的交通量のある車道から少し入った場所から馬引沢峠越えルート方面を遠望します。住宅の向こう側に平井川が流れていてそう広くない橋がかかっており、そこがどうやら旧街道の合流点のようです。

狩宿・東京都日の出町

まったくの余談ですが、山に生えている杉を見てみると、花粉を飛ばす準備が着々と進んでいる様子が見えました。春の訪れの一局面といえば微笑ましいですが、花粉症の人にとっては厳しい? 風景かもしれません。

狩宿・東京都日の出町

両峠越えルートの合流点は平井川と支流の合流点にもなっていました。水色は綺麗でしたので水が温んでくればハヤだけでなくヤマメなどにもお目にかかることができるのでしょうか。

狩宿・東京都日の出町

それから平井川に沿って梅ヶ谷峠ルートの方向に進んでみました。川から一旦離れて現秋川街道に都道青梅日の出線がぶつかる交差点に近づくと、遠くから寒さをモノともしない子供達の歓声が聞こえてきました。近くに学校があるみたいですね。冬枯れの景色に往時の行き交う人々の姿にその声が重なってなにやら不思議な感じがしました。

狩宿・東京都日の出町

さらに進むと、小さな川沿いの道に出ました。この道は都道青梅日の出線で、先の旧鎌倉街道の梅ヶ谷峠ルートを拡幅して作られた道のようです。奥の山の方向が峠になりますが、道路のなかった時代はどのような景色だったのでしょうか。

Ensign
Selfix 820

今日のお供のカメラ

カメラ: ロス-エンサイン社 Ensign Selfix 820
レンズ: Ross Expres 105mm F3.8

すでに倒産してしまったイギリスはロス-エンサイン社の、120フィルムを使う6×9判・6×6判のデュアルフォーマットのカメラです。1950年代製造の、私より年上のカメラ。手元にあるのは普及版に位置付けられていたグレードのものらしくシンプルなタイプ。シャッター・絞りはフルマニュアル、ピント合わせは目測式の中判蛇腹カメラです。

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写真士Takiguchi Takumi
商業的立ち位置(禄の一部)も抱えつつ、これからもいつまでも写真の世界で自由にさすらい成長していく思いを「士」の一字に込めて「写真士」と名乗っています。実は音楽(クラシックピアノ)の試行錯誤も同じくらい年数が経っています。どちらもこの先ゴールは...見えるのかな?