この数年コロナ禍の影響によりまとまった日数を旅に出るということが難しい状況が続いていましたが、2024年5月中旬久しぶりに2泊3日のツーリングに出ました。
ロケハンのつもりで出かけたので当初は掲載するつもりはなかったのですが久しぶり北アルプスと対面した途端にしばらく忘れていた思い出がいくつも思い出されて胸が熱くなり予想以上に「沁みる」旅となりました。そんなことから今回「番外編」として半ば自分のために(?)掲載することにしました。
旅の1日目はこのブログのメインテーマの1つである旧鎌倉街道山の道を通り抜けて高崎へ。それから草津街道を延々と走り嬬恋村のとあるキャンプ場に到着、久しぶりのテント泊です。私のオートバイは小型自動二輪車(通称原2)のため高速道路走ることはできません。必然的にいわゆる「下道」を走ることになるのですが、この時に生きてくるのがかつての「街道」と重なるルートです。人が歩いて移動した時代の道ですからある地域から別の地域に行くのに、ほぼ最も効率の良い道となっています。これに沿って走っていくと高速道路を使って移動したほどは早くつかないものの倍の時間がかかるわけでもなく目的地に到着することができます。もちろん交通事情の影響は受けますが…
湖畔のキャンプ場は6組ほどのキャンパーがいましたが、皆紳士的な方々でお陰様で静かな時を過ごすことができました。どう言うわけか旅に出ると極端に早寝早起きになるのですが、今回も持参したウィスキーなぞ飲んだら猛烈に眠くなり21時前には就寝。
2日目は早朝起床。テントを貼りっぱなしにして北アルプスと小滝川ヒスイ峽の奥の明星山を見に行く周遊コースで走り出しました。天気はなんとか雨には降られずに済みそうと言う状況です。いくつかの山を越えて行きましたが、山岳地帯の走行はテント泊の荷物は置いてきたとは言え125ccの小型のエンジンにはなかなか荷が重いことを再確認。ようやく長野県の県道12号線、36号線といった通称「北アルプス展望ライン」に辿り着きました。季節も季節なので半分博打でしたが、曇り空ながら展望を得ることができました。
新緑の向こうには残雪期にできる常念坊の姿が。雪が溶けて地表が出てきた時の形がお坊さんに似ていると言うことで(一番高い稜線、中央より若干左側の青黒い部分)安曇野ではその年の農業を始める目安にされていたそうです。また常念岳の由来となったとも言われています。
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爺ヶ岳、双耳峰の鹿島槍ヶ岳が良く見えました。鹿島槍ヶ岳を見るといつも学生時代の冬の山行を思い出します。登頂のその日、よく晴れていたものの猛烈な風に吹かれてピッケルを雪面に打ち込んで耐える「耐風姿勢」のままほとんど動くことができなかったことが強烈に印象に残っています。
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鹿島槍ヶ岳、五竜岳はまだ残雪に覆われているもののほかは新緑です。ようやく寒さが和らいでこの地に住む人々は少しホッとするのかもしれませんね。
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白馬岳方面の展望がひらけてきました。山間の棚田は最近水が張られたみたいです。
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新緑の向こうには白馬岳から栂池にかけての展望。それまでほとんど忘れかけていたのですが、若い時には登山だけではなくスキーで八方尾根や栂池に滞在していた時間も長かったことを思い出しました。あれから随分時間が経ちました。皆どうしているのでしょうか。
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振り返るとやはりそこにはむせるほどの緑が。奥に見えているのは三俣蓮華岳や野口五郎岳でしょうか。道はあそこまで通じているのでしょうか。
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山岳路の走行に疲れてきた頃、ようやく小滝川ヒスイ峽奥に位置する明星山を見ることができました。予想以上の岩の「塊感」がすごかったです。しかし、「一般知られずにクライマーだけが通っていた」という時代に見にきておくべきだったなと言う後悔の感情も少し湧いてきました。ともあれ、こんどはこの山に登ってみたいです。
元気だったら日本海まで行って海を見てこようかと思っていましたが、だいぶ疲れたのでそのまま引き返すことにしました。帰りは行きほどキツくないルートでキャンプ場まで戻ったのですが長野五輪で道が大きく変わったため走行自体は若干楽でしたが、沿道の景色の変わりように思い出は時間の彼方に去りつつあることもまた実感しました。
キャンプ場到着寸前に雨が降り始めました。よく今日1日持ってくれたものだと感謝しつつ雨具を着て再スタートするとなんと左足のブーツのかかとが剥がれて雨水がダイレクトに侵入してくるではありませんか。おそらく経年劣化により自然と剥がれてしまったのでしょう。侵入する雨水で足が冷たくなるのに耐えつつ走行すると言う、最後の最後に修行みたいな1日の終わりが待っていました(笑)。
翌日は霧の嬬恋高原、軽井沢を抜けて峠を下り始めるとようやく晴れ間が出始めました。関東平野の縁を通って我が家に向かいました。
県道12号線、36号線(長野県、最寄りの高速インターチェンジは長野自動車道麻績インターチェンジ)
※山深い地域のため、公共交通機関でのアクセスは難しいので自家用車の利用が便利です。山岳路ですので運転は普段以上にご注意を。
今日のお供のカメラ
カメラ: SONY NEX-5N
レンズ: SONY E 3.5-5.6/18-55 OSS
モーターサイクルに積んでいくとなると軽いこのカメラの出番です。単焦点レンズと比べると少し重くなりますが標準ズームレンズは手ぶれ補正もついていて便利ですね。