雪食地形について(4)

「セッショクチケイ」と聞いてピンと来られる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。初めてこの言葉に接した方のための「雪食地形」の説明第4回目「撮影の観点から・どうして只見町なのか」です。

撮影対象として魅力的な只見町の雪食地形

前回同様個人的な思いが強くなりますが(笑)よろしければ引き続きお付き合いください。

どうして只見町なのか

雪食地形」という言葉そのものは雪の作用を受けた地形を表す言葉ですので、只見町以外の、他の地域でもそのような地形を指して使われる言葉です。もちろん先ほどの例に挙げた北アルプスといった冬季の積雪量が多い高山帯でも比較的よくみられる地形です。

条件さえそろっていればどこでも見られるもの、と言えそうです。では「なぜ只見町の雪食地形なのか」ということになりますね。只見町が私にとって魅力的なポイントは次の通りです。

岩山+ほかの特色との対比

只見町の地形がすべて雪食地形で彩られているわけではありません。豊かなブナ林、豊富な水量を持つ川辺に見られる河畔林といったビジュアル的に好対照な景観を見ることができます。このコントラストは多いに撮影意欲を刺激してくれます。

自然と人里のコラボレーション

一見、(特に冬期が顕著ですが)人が入り込むのを拒絶するかのような厳しい自然のすぐ近くに人家が存在して人々の生活があるという対照的な景色がすぐそばに存在しています。いわばビジュアル的な一種のミスマッチ感(?)が、独特の魅力を醸し出していると思います。

アクセスが(比較的)容易

こんなに自然あふれる地域であるにもかかわらず、おおざっぱなエリア的には只見町は福島県ですから私の住む関東地方のお隣のエリアということになります。つまりマイカーを利用して撮影に比較的通いやすいということになります。さらに超個人的に言えば、それは「撮影のコストが高くならずに済む」ということですので大変助かります(笑)。ただし老婆心ながらに付け加えますと無雪期はともかく、積雪期の交通状況はかなり厳しくなることが多々ありますので、特に自動車については相応の雪道経験と判断力そして万一に備えての装備(自動車/人間とも)が必須であると申し上げておきます。なお、有名な只見線ですが2022年10月より運行が再開されました。電車を使う方のアクセス経路が復活したのは何よりです。

その他

もともと気ままに撮影することが好きで、ただ撮影対象としてほれ込んで現地入りすると目いっぱい撮影を楽しむだけで満足していました。しかし十年以上も通っているとありがたいことに知り合いの方もできました。これはより深く只見町エリアを楽しませてもらっていることにつながっています。出会いに感謝申し上げるとともに只見町エリアの存在が心の中に大きくなってきていることを感じます。

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写真士Takiguchi Takumi
商業的立ち位置(禄の一部)も抱えつつ、これからもいつまでも写真の世界で自由にさすらい成長していく思いを「士」の一字に込めて「写真士」と名乗っています。実は音楽(クラシックピアノ)の試行錯誤も同じくらい年数が経っています。どちらもこの先ゴールは...見えるのかな?