雪食地形について(3)

「セッショクチケイ」と聞いてピンと来られる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。私にとっても撮影対象として意識する前はほとんど聞いたことのない言葉でした。初めてこの言葉に接した方のための「雪食地形」の説明第3回目「撮影の観点から」です。

撮影対象として魅力的な只見町の雪食地形

ここからは個人的な思いが強くなりますがよろしければお付き合いください。

雪食地形の姿・形・魅力

只見町/ 旧田子倉駅付近から

雪食地形の見られる地域の岩山は「とにかく格好良い」、この一言につきます。削り取られ荒々しくそびえ立つ岩肌を見ていると熱い思いが胸にこみ上げ、写真を撮るしかないという気持ちがふつふつと湧いてきます…これらは言うまでもなくまったくの私個人の主観です(笑)。

これで文章を終えてしまうと申し訳ないので…おおざっぱに申し上げると低山でありながら北アルプス(長野県・飛騨山脈)の穂高連峰や剣岳といったごつごつとした岩山の風景と似た岩山や岩肌、そして深く険しい谷といったダイナミックな風景が魅力だと思います。(この風景がどのように形作られたかについては雪食地形について(2)をご覧ください。)

只見町/ 叶津付近

余談ですが、今年(2022年6月17日)公開された映画『峠 最後の侍』の主人公である河井継之助の終焉の地である只見町塩沢に、現在「只見町河井継之助記念館」があります。この資料館の中に戊辰戦争時の東軍と西軍が戦う様子を描いた大きな絵が展示されています。これをよく見てみるとおそらく雪食地形で形作られたであろう急な岩の上や崖のところで両軍の兵士が戦っている様子が見て取れました。よくあのような、一歩足を踏み外せば墜落して死亡または良くて重傷必至の場所で東軍西軍共によく戦ったものだと感心しました。

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写真士Takiguchi Takumi
商業的立ち位置(禄の一部)も抱えつつ、これからもいつまでも写真の世界で自由にさすらい成長していく思いを「士」の一字に込めて「写真士」と名乗っています。実は音楽(クラシックピアノ)の試行錯誤も同じくらい年数が経っています。どちらもこの先ゴールは...見えるのかな?